

3つのランキングから見えた課題と可能性
フォーラムの冒頭、高津尚志・IMD北東アジア代表が登壇、IMD世界競争力センターが毎年発表している「世界競争力ランキング」「世界デジタル競争力ランキング」「世界人材ランキング」の3つから見える日本の課題と可能性を解説しました。 「人と組織に関わる評価が順位を引き下げている。だからこそ、日本には伸びしろがある」と指摘しました。1:世界競争力(2023年版)
日本は過去最低の35位に。サブ因子別=下図=に課題を探りました。 「科学的インフラ」(8位)「健康と環境」(8位)「雇用」(5位)は世界トップ10に入っています。 一方で「生産性と効率性」(54位)「経営慣行」(62位)「姿勢と価値観」(51位)といった、「ビジネスの効率性」因子を構成するサブ因子の低迷が目立ちます。
2:デジタル競争力(2022年版)
日本は63カ国中29位でした=下図。 「科学的集積」(14位)、R&Dへの投資状況等を評価する「技術的枠組み」(8位)など科学技術の基盤の強みが目立っています。 一方、「人材」(50位)「規制の枠組み」(47位)「ビジネスの俊敏性」(62位)の低さが目立ちます。 高津代表は「ここでも、人材・組織の弱みが、科学技術の強みを打ち消している。逆に言えば、人材・組織が変われば、強みを活かせる」と指摘しました。
3:人材競争力(2023年版)
日本は過去最低の43位でした。評価を3つの因子に分類して見ると、強みと弱みがはっきり見えてきます。 国内人材への「投資と開発」の項目を見ると、「従業員教育」の優先度合いの相対的低下(30→35位)が目につきます。また「教育への公的投資(対GDP比)」(53位)など、学校教育に関する統計データも芳しくありません=下図。


「若手人材の発掘と集中投資を」
この後、参加者は人材の獲得や育成について自社の取り組みをテーブルごとに話し合いました。多様な人材を惹きつけるために本社機能をシンガポールに移したり、新卒採用で男女比を半々にしたり、選抜型の若手育成プログラムを導入したりと、様々な事例が共有されました。 Piskorski教授:「日本の企業は勤続年数に基づく昇進がいまだ支配的ですが、これは効果的ではない、との見方が強まっています。組織を変革しそうな若い人材の発掘と、そこへの集中投資をしてはいかがでしょうか」 「若い人材には3つの機会を与えてください。異質な環境に身を置くこと(Exposure)、そこで経験を積むこと(Experience)、教育を受けること(Education)。海外や社外で働く、スタートアップに転籍するような経験を積んでもらうことも有効です」
人材の流動性を高める

海外人材を惹きつけるには


JMTF過去の開催イベント
【日本経営変革フォーラム】文化、組織、社会。CxOが語る、それぞれの「変革」 – IMD News
